家庭学習の3つのポイント【隂山英男の家で伸ばす! 子どもの学力】

陰山先生6

「百ます計算」などの「隂山メソッド」が多くの学校・家庭で成果をあげている隂山英男先生(立命館大学教育開発推進機構教授、立命館小学校校長顧問)が、子どもの学力を家で伸ばす方法について教えてくださるコーナーです。

今回のテーマは、小学校に入学してすぐの時期における家庭学習についてです。

家庭学習の3つのポイント

小学校に入学してすぐの時期における学習のポイントは

1.親が家事をしている近くでさせる

2.終えた課題をしっかり見て『とても上手にできたね』など、大いにほめてあげる

そして、

3.子どもがもっとしたいと言っても『続きはまた明日ね』と、きっぱり5~10分で終わらせる

この3つです。

■1.親が家事をしている近くでさせる

まず最初のポイントは、「親が家事をしている近くでさせる」です。

この理由は、親が見ている・近くにいるという安心感がリラックスを生み、集中できるからです。これは本を読む、宿題をする、明日の時間割を合わせるといった、すべての行動にいえる事です。

特に低学年のうちはリビングルームに子どもの机を置いて、学習に関するすべての事を親の近くで行えるように工夫すれば、それは子どもにとって最高の学習環境となるでしょう。

■2.終えた課題をしっかり見て『とても上手にできたね』など、大いにほめてあげる

次のポイントは、「終えた課題をしっかり見て『とても上手にできたね』など、大いにほめてあげる」です。

これは親の「ほめ言葉」を通してこそ、子どもは達成感を感じるという事です。ある事に取り組み、その結果を親子で共有し、笑顔で喜び合う。

時には「すごい! こんなに上手にできるんだね」と、驚きを子どもに伝える事で、子どもの達成感はさらに大きくなります。こうした小さな達成感の積み重ねが、子どもの学ぶ意欲を育んでいくのです。

■3.子どもがもっとしたいと言っても『続きはまた明日ね』と、きっぱり5~10分で終わらせる

そして最後のポイントが、「子どもがもっとしたいと言っても『続きはまた明日ね』と、きっぱり5~10分で終わらせる」です。

これは私が子どもを指導する時、最も大切にしているポイントの1つ。勉強はてきぱきと短時間で終わらせるほどいいのです。

5分で終わったからといって「じゃあもっと勉強しよう」は禁句。子どもにとってあっけないくらいの時間で終わらせる事が勉強を「楽しい」と感じさせ、「楽しい」と感じる事が毎日の継続や、「リラックスして集中力アップ」という状態を生み出す事につながります。

「続きはまた明日、一緒にがんばろうね!」が子どもへの最高の一言だといえるでしょう。

入学後しばらくは宿題はありません。今のうちに机に向かう事が楽しいという感覚を育んでおけば、やがて「宿題をしなさい!」と何度も言わなくても自分から机に向かい、宿題なんてさっさと片付けちゃえ、という子になります。

これは親にとっても楽ですし、何より子どもの学力習得に欠かせない大切な習慣です。ぜひ小1の早い段階で、学習習慣を身につけてください。

隂山 英男
かげやまひでお。立命館大学教育開発推進機構教授、立命館小学校校長顧問。子ども達の生活習慣改善と「読み書き計算」を主とする徹底した反復学習に取り組み、その指導理論が「隂山メソッド」として多くの学校・家庭で成果をあげている。

編集協力/小倉宏一(ブックマーク)  撮影/奥田珠貴

(初出:『小学一年生』2015年4月号)